不動産売買の仲介手数料 相場と計算方法
不動産を売買するとき、不動産会社に支払う 仲介手数料 は宅地建物取引業法 (宅建業法) で 上限が決まっています。 「相場はいくら?」「値切れる?」「両手取引の場合は?」など、購入・売却前に必ず知っておきたい仲介手数料の全てを、計算式と早見表で解説します。
この記事でわかること
- 不動産売買の仲介手数料の 法定上限 (宅建業法第46条)
- 物件価格別の 早見表 (1,000万円〜1億円)
- 計算式と 省略表記 ("3% + 6万円") の意味
- 仲介手数料が 無料・半額 になるケース
- 値引き交渉の現実とリスク
仲介手数料の法定上限 (宅建業法第46条)
仲介手数料は 国土交通大臣が定める告示 により、以下の上限が決まっています:
| 物件価格帯 | 仲介手数料 (税抜) の上限 |
|---|---|
| 200万円以下 | 価格 × 5% |
| 200万円超〜400万円以下 | 価格 × 4% + 2万円 |
| 400万円超 | 価格 × 3% + 6万円 |
これは 売主・買主どちらか一方 から受け取れる上限額。両方から受け取る「両手取引」の場合、双方からそれぞれこの上限まで受け取れます。
消費税 は別途加算されます (2026年現在 10%)。
「3% + 6万円」の正体
「3% + 6万円」という省略表記は、400万円超の物件すべてに適用される 連続式の簡易計算法 です。 本来は3段階に分けて計算するところを、足し算で省略しています。
本来の計算 (5,000万円の物件):
200万円 × 5% = 10万円
200万円 × 4% = 8万円 (200〜400万円部分)
4,600万円 × 3% = 138万円 (400万円超部分)
合計 = 156万円
省略式: 5,000万円 × 3% + 6万円 = 156万円 ✓
「6万円」は、200万円までの差額(2%×200万)+200〜400万円の差額(1%×200万)= 6万円 から来ています。
物件価格別 仲介手数料 早見表
実際の物件価格別の 税込上限額 (消費税10%込):
| 物件価格 | 仲介手数料 (税込) |
|---|---|
| 1,000万円 | 396,000円 |
| 1,500万円 | 561,000円 |
| 2,000万円 | 726,000円 |
| 2,500万円 | 891,000円 |
| 3,000万円 | 1,056,000円 |
| 4,000万円 | 1,386,000円 |
| 5,000万円 | 1,716,000円 |
| 6,000万円 | 2,046,000円 |
| 8,000万円 | 2,706,000円 |
| 1億円 | 3,366,000円 |
| 1.5億円 | 5,016,000円 |
売主・買主それぞれが これを支払う可能性があります (両手取引の場合)。
「片手」「両手」「分かれ」の意味
不動産会社が手数料を受け取る形には3パターンあります:
| 取引形態 | 説明 | 不動産会社の収益 |
|---|---|---|
| 両手取引 | 同じ会社が売主・買主両方を担当 | 両者から手数料受領 (最大2倍) |
| 片手取引 | 売主側・買主側で別の会社 | 自分側の依頼者からのみ |
| 分かれ | 売主側に2社入る等 | 取引額の按分 |
両手取引には「囲い込み」(他社へ物件情報を出さない)というネガティブ慣行が指摘されています。 2024年4月の宅建業法改正で囲い込み対策が強化されましたが、実態は完全にはなくなっていません。
仲介手数料が無料・半額になるケース
最近は 仲介手数料無料・半額 をうたう不動産会社が増えています。理由は2つ:
- 両手取引で売主から既に受け取り済み (買主は無料)
- 広告費等の他収益源がある (新築マンションなど)
ただし注意点:
- 「仲介手数料無料」物件は 物件価格に上乗せ されている可能性
- 売主直販物件は仲介手数料そのものが発生しない (買主にもメリット)
- 両手取引の場合、片方しか担当しない不動産会社の方が情報量が公平 な場合も
値引き交渉は可能?
法律上の 上限 であり、「これ未満で構わない」というだけ。値引き交渉は可能 です。 しかし以下の現実があります:
- 大手は値引き交渉に応じにくい (社内規定が厳格)
- 中小・地場の不動産会社の方が柔軟
- 値引き交渉は 物件契約直前ではなく、媒介契約時 に行う方が成功率高い
- 大幅値引き要求は担当者のモチベーションを下げ、サービス質低下のリスク
仲介手数料 以外にかかる費用
不動産売買では仲介手数料以外にも諸費用があります:
| 費目 | 概算 (3,000万円物件の場合) |
|---|---|
| 仲介手数料 | 1,056,000円 |
| 登記費用 (司法書士報酬+登録免許税) | 30〜50万円 |
| 印紙税 (売買契約書) | 1万円 (1,000万円超〜5,000万円以下) |
| 不動産取得税 (土地+建物) | 30〜80万円 |
| 火災保険・地震保険 | 10〜30万円 (10年契約) |
| ローン保証料・事務手数料 | 50万円〜 (借入額次第) |
| 引越し代 | 10〜30万円 |
→ 物件価格の5〜8% が諸費用の目安。住宅ローンには通常含まれないので、自己資金が必要。
出典
- 宅地建物取引業法 第46条 (e-Gov 法令検索)
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 (国土交通省告示)
- 国税庁 印紙税額一覧表
本記事の数値は2026年4月時点のもので、税制等は最新の公式情報を確認してください。




