不動産投資の利回り相場
不動産投資の 利回り は、立地・物件タイプで大きく変動します。 東京23区の新築マンションは 表面利回り3〜5%、地方の中古一棟アパートなら 8〜12% が相場。 表面と実質の違い、エリア別の目安、「利回りが高すぎる物件」の罠を解説します。
表面利回り (グロス利回り)
表面利回り (%) = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
例: 物件価格3,000万円、家賃15万円/月 (年間180万円) の場合 → 180万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 6.0%
これが「広告でよく見る利回り」。シンプルだが 経費を一切考慮していない ため、実際の手取りとは大きく異なります。
実質利回り (ネット利回り、NOI利回り)
実質利回り (%) = (年間家賃収入 - 年間経費) ÷ (物件価格 + 購入諸費用) × 100
経費に含めるもの:
- 管理委託費 (家賃の3〜7%)
- 修繕積立金 (マンションなら月1〜2万円)
- 管理費 (マンションなら月1〜2万円)
- 固定資産税・都市計画税 (年間 評価額の1.7%)
- 火災保険料 (年1〜3万円)
- 空室損 (家賃の5〜10%、平均空室率)
- 修繕費 (年家賃の5〜10%)
- 入退去時の原状回復費 (4〜6年に1回、家賃1〜2ヶ月)
例: 表面利回り6.0%の物件で経費が家賃の30%なら、実質利回りは約4.2% に落ちます。
エリア別 利回り相場 (中古マンション 投資用)
| エリア | 表面利回り相場 | 実質利回り目安 |
|---|---|---|
| 東京23区 (港区・千代田区・中央区) | 3.5〜5% | 2.5〜3.5% |
| 東京23区 (それ以外) | 5〜6% | 3.5〜4.5% |
| 東京都下 (多摩) | 6〜7% | 4〜5% |
| 横浜・川崎 | 5〜6.5% | 3.5〜4.5% |
| 大阪市 | 6〜7.5% | 4〜5% |
| 名古屋市 | 6〜8% | 4〜5.5% |
| 福岡市 | 7〜9% | 5〜6.5% |
| 札幌市 | 7〜10% | 5〜7% |
| 地方中小都市 | 8〜12% | 5〜8% |
→ 都心ほど低利回り だが、空室率も低く資産価値も維持されやすい → 地方ほど高利回り だが、空室・修繕・売却困難のリスク高
物件タイプ別 利回り相場 (東京近郊)
| タイプ | 表面利回り |
|---|---|
| 新築区分マンション | 3〜4% |
| 中古区分マンション (築20年以内) | 5〜6% |
| 中古区分マンション (築20年以上) | 6〜8% |
| 一棟マンション (RC) | 6〜8% |
| 一棟アパート (木造) | 8〜12% |
| 戸建賃貸 | 10〜15% |
「利回り10%超」の罠
利回りが高い物件には必ず理由があります:
罠1: 空室・滞納が常態化
- 表示利回りは「満室前提」
- 実態は半分空室で、実質利回りはマイナス
- 検討時に 過去3年の入居履歴 を必ず確認
罠2: 短期間の家賃高騰
- 大学・工場移転で 学生・社員需要 に乗っている
- 5年後にゼロになるリスク
- 賃料の安定性 を周辺相場と比較
罠3: 修繕費が膨大
- 築40年超の 耐用年数切れ物件
- 毎年100万円〜の修繕費 → 実質利回り激減
- 修繕履歴と長期修繕計画 を確認
罠4: 立地が再販困難
- 過疎地・限界集落
- 売却したくても買い手が見つからない
- 5年後の売却想定額 を計算
罠5: 違法物件
- 接道義務違反、再建築不可
- 担保価値がほぼゼロ → 銀行融資NG
- 重要事項説明書 で必ず確認
銀行融資の利回り基準
銀行は融資の際、以下の最低利回り目安を見ています:
| 銀行種別 | 最低利回り目安 (実質) |
|---|---|
| メガバンク・地銀 (一般) | 4〜5% |
| 信金・信組 | 5〜6% |
| ノンバンク | 6〜8% |
→ 都心の表面3%物件は、自己資金多い人向け。フルローンなら地方の高利回り物件。
投資判断のシンプル指標
NOI (Net Operating Income)
NOI = 年間家賃 - 運営経費 (税金・修繕等含む)
キャップレート
キャップレート = NOI ÷ 物件価格 × 100
→ これが 実質利回りに近い概念。プロ投資家・REITが使う指標。
キャッシュフロー
月間CF = (家賃 - 運営経費) - ローン返済額
CF がプラスでないと、毎月持ち出し。 最低でも月3〜5万円のプラスCF を目標にする投資家が多い。
出典
本記事の数値は2026年4月時点の市況に基づく一般的な目安です。実際の投資判断は専門家にご相談ください。




